3月19日、フォローアップ意見交換会を開催しました。清風荘・林施設長とコンパス・杉島所長から、能登半島地震のDWAT活動の報告やBCPの重要性について報告いただいたあと、入所系・通所系・訪問相談系に分かれて、BCPサンプルとして、杉山寮・アイリス・コンパスの作成報告をした後、質疑や悩んでいる事などを話し合いました。
入所系では、以下のようなポイントが出ていました。
❶利用者も含めた「BCP訓練」ができるかどうか不安
❷具体的に動けるようなマニュアルをどう作れば良いか
❸施設内安否確認作業中に「救出が必要な人が見つかった時」、どう対応すればよいか(安否確認作業が優先?)
❹被災後の外部からの応援者への指示書を作っておくべきなのか
❺原子力災害への対応不安(移動などの課題)、
❻備蓄品の量と確保のための費用の問題
通所系では、以下のようなポイントが出ていました。
❶少人数事業所の場合BCPはどう作れば良いかわからない
❷地域全体が土砂災害危険地帯で、安全ゾーンの設定ができない場合どうするか
❸職員の参集基準(少人数でどうしようもない場合がある)
❹備蓄品のための予算捻出が難しい
❺安否確認の方法と対象をどうすれば良いか
❻自ら被災者となっている場合、何ができるのか
訪問・通所系では、以下のようなポイントが出ていました。
❶安否確認を進める際、他の事業所と重複することがあり、調整しておく必要がある。(法人内・地域全体での名寄せ作業)
❷市全体でタイムライン(発災からのフェーズ設定)を統一しておくべきではないか
❸当事者(障がい者・ご家族)からの発信を強めるにはどうすれば良いか
作成に着手していく中で、様々な問題が生まれていることが判りました。
各事業で共通している点では「備蓄品確保」の問題でした。ローリングストックで備蓄するとしても、量の設定や予算の確保等厳しい現実があるようです。通所や入所では、食材として一定量の在庫を持たれていることから、それを災害時にどう使えるかという視点で検証することが有効ではないかと思います。
また、訪問・相談系と通所系では、発災後の「利用者の安否確認」の行動について、事前に名寄せして効率的に確認作業を進めることが重要だとの認識はあるものの、名寄せをどう進めるか具体的な組み立てが必要になっています。法人内と地域全体の両面で考える課題です。
あわせて、発災後の動きとして、地域全体のタイムラインの一致も重要ではという意見が出ていました。
発災から72時間(生命維持可能な時間)や、避難所などの開設、外部からの支援開始、インフラの復旧等、地域全体のタイムラインに沿ってそれぞれが適切に動けるようにしておくことこそ重要なポイントです。市や地域の防災体制・被災後の復旧復興計画なども踏まえて考えていく課題になっています。
令和6年度中には、こうした課題を一つ一つクリアして、各事業所でBCPを作成し、自立支援協議会(圏域)全体での防災訓練などへつなげていきたいと思います。